児童養護施設 若草寮

若草寮からのお知らせ

INFORMATION

2022.11.05

求人情報

「児童養護施設 仕事内容①」~児童支援員編~

児童養護施設のことをもっと知りたい!と思ってくださっている方へ

児童福祉分野の中でも、児童養護施設や社会的養護について興味を持って下さり、ありがとうございます。この記事のシリーズでは、児童養護施設で働いている専門職について紹介をしていきたいと思っています。今回は、子どもの生活に一番近い“児童支援員”の仕事内容をご紹介します。

一般的には児童指導員と呼ばれている職業ですが、若草寮では「指導」という言葉が現状行っていることと異なるのではないかとの声もあったので、児童支援員と呼称を変えました。

 

まずは、児童支援員の一日の流れや仕事内容についてまとめてみましたのでご紹介します。


児童支援員の一日の流れについて

〇日勤の場合・・・

※13:00~21:00など

お昼頃に出勤し、子どもの様子や業務について宿直した職員から引き継ぎを受けます。
子どもたちが学校から帰るまでは、事務作業を行ったり、洗濯物を畳んで片付けたり、施設内の環境を整えています。また、食材の買い物に行き、夕食を作ります。子どもたちが帰ってきてからは宿題を見たり、お風呂の声掛けをしたり、翌日の準備を子どもたちと行ったり、遊び相手をしたりと慌ただしく動いています。
日中から子どもたちの就寝頃まで
るべく二人で勤務しています。職員が二人で勤務している間に、一緒に子どもの対応に当たり、他職員が子どもとどのように関わっているのかを知る機会になり、学ぶ場、客観性を担保する場として機能しています。このような勤務体制が、特に若手職員の安心感につながっています。

 

〇宿直の場合・・・

※16:00~翌13:00など

夕方から出勤し、引き継ぎを受けます。日勤の職員と役割分担をしながら、学習に付き添ったり、夕食を作ったりします。
夕食を子どもたちととった後は、片付けや洗濯などを行い、リビングで一緒にテレビを見たり、遊んだりして穏やかな団らんの時間を過ごします。就寝前の時間を大切にしていて、小学生などは絵本の読み聞かせをしたり、お話しています。中高生になると部活や塾、アルバイトなどで忙しくなりますが、学校や部活のこと、将来のこと、雑談も含めて話しています。
子どもたちが寝静まった後は、翌日の予定を確認して提出物等の準備や朝食の下ごしらえを行い、見回りや事務作業等を終えたら職員も翌日に備えて睡眠をとります。

 

児童支援員の仕事内容について

〇生活支援・・・

子どもたちが安心・安全な生活が送れるように、子ども一人ひとりにあわせた支援を行っています。
食事の用意、洗濯や掃除、学習支援、一緒に遊んだりお出かけをしたりと、生活の中の支援は多岐に渡ります。
他にも、運動会や保護者会等の学校行事へ参加したり、進路などを一緒に考え、必要に応じて児童相談所などの関係機関の方と話し合いの場を設けることもあります。学習支援では、通塾したり、学習のボランティアさんにお手伝いをお願いすることもありますが、小中学生はNPO法人3keysさんの学習教材を活用して学習に取り組んでおり、サポートが必要な子には職員が付き添って教えています。

子どもたちが施設を巣立った後のために、自分でできることを増やして、生きていく力をつけていくことも大切な支援ですが、子ども自身が周りの大人を頼れるようになってほしいと考えています。
若草寮では、子どもたちと将来の夢はなにか、数年後どんな風になっていたいか、そのために今年度はどんなことを頑張りたいか、周りの大人からどんな手伝いが欲しいかなど、子どもの意向を聞きながら一緒に話し合い”ミライ計画書(自立支援計画書)”を作成し、子どもたちと共有しています。子どもが30人いれば30通りの支援が必要です。

この他に、入所するお子さんを迎え入れる対応、退所前には次の生活場所に向けて調整を行ったり、これまでの生活を一緒に振り返りをしたりしています。高校生になると自立に向けて一人暮らし体験をする子もいますが、本人と目標や計画を一緒に立てて日数なども相談しながら進めています。

 

〇事務業務・・・

パソコンを使ったデスクワークとしては書類整理・作成があります。行事の計画書や研修報告書、子どもと話をする際の資料など、さまざまなものがあります。金銭関係では食費等で使ったお金の精算をしたり、子どものお小遣い帳の確認も行っています。
学校や児童相談所などの関係機関とは日々連絡を取り合っています。

 


職員インタビュー

続いて、インタビューに答えてくれた3名の児童支援員をご紹介します。


Mさん(2022年入職)…絵を描いたり勉強を教えるのが上手。少し抜けた愛嬌があります。


Kさん(2015年入職)…子どもの良きお兄さん的存在。サッカーが得意です。



Sさん(2013年入職)…お料理上手な職員さん。6月頃になるといつも梅ジュースを作ってくれます。

 

■保有している資格について教えてください。

M )社会福祉士

K )保育士、幼稚園教諭、児童指導員、社会福祉主事任用資格

S )保育士

この他に、社会福祉士や教員免許等の資格を持っている職員や、入職時は資格を持たず、働きながら資格を取得した職員もいます。資格について詳しくは、「児童養護施設で働くためにはどんな資格が必要?」の記事をご覧ください。こちら

 

■一ヶ月あたりの平均残業時間について教えてください。

M )3~4時間程度。

K )子どもの様子や予定に左右されます。10時間を超える月もあれば、ほぼない月もあります。平均すれば7時間程です。

S )ほとんどなし~2時間くらい。

令和4年度前期の児童支援員の残業時間は平均5.02時間でした。

 

■有給の取得状況について教えてください。

M )希望通りに取れています。

K )基本的には希望すれば取れています。希望通り取れるように職員間で協力し合っています。

S )希望したところは100%取れています。

令和3年度の全職員の取得実績は、夏季・冬季休暇を除いて56.3%でした。日数にすると8.97日です。
ちなみに夏季・冬季休暇は5日ずつあり、夏は7~9月、冬は11~1月頃に分散して取っており、こちらの取得率はほぼ100%です。

 

■異動はありますか?これまでの経歴を教えてください。

M ) まだ異動したことはありませんが、毎年9月頃に今後やってみたいことや興味のあることについて話せる場があるので、そこで希望を伝えられます。グループホーム女子

K )あります。本園男子6年→本園男子1年

S )あります。本園男子5年→グループホーム女子1年→本園女子1年→本園男子2年

このように性別にかかわらず男女どちらのグループにも配属されます。

■若草寮はどんなところですか。

M )小規模なので子ども一人ひとりを見守りやすく、子どもの希望やニーズに合わせて子どもと個別の時間や外出の機会などもあり、一人ひとりとの関わりを大切にしているところだと思います。

K )他の施設に比べ、小さい施設だと思います。その分、職員同士の連携が取りやすいところが魅力だと思います。

S )職員がみんな優しいです。働く上で出てくる悩みや困っていること等、同僚や上司が丁寧に話を聞いてくれます。一人で抱え込むことはありません。働きやすい環境が整えられていると感じます。

 

■得意料理はなんですか。

M )肉じゃがと長いものポン酢和えです。お味噌汁も作る機会が多いので慣れてはいますが、子ども好みの味を目指して日々頑張っています。

K )「これが!」というものはないですが、レパートリーを増やせるように挑戦しています。

S )ポテトサラダです。

料理経験があまりなく入職する職員もいます。調理員や栄養士もいるのでアドバイスやサポートをもらいながら少しずつできるようになっていきます。

■働く上で大切にしていることを教えてください。

M )子どものことを見守りつつ、一緒に楽しめるところは思い切り楽しむこと。また、子どもの目線に立つことと子どもの気持ちを否定しないことです。

K )“職員と子ども”という縦の関係にならないように、意識しています。

S )健康管理です。

  

■これからの夢や、やりたいことを教えてください。

M )ひとまず目標としては現在勤務しているグループの子どもたちが卒寮(退所)するまで見守ることです。卒寮した子どもたちと再会した時に、思い出などを振り返って話すことができたら素敵だなと思います。

K )まずは今入所している子がより良いかたちで退所できるよう頑張りたいです。そのために知識を増やしていきたいです。

S )もっと料理が上手くなりたいです。若草寮で動物(特に犬!)を飼いたいです。

 

職員インタビューのページもございます。こちらもどうぞご覧ください。

今後、他職種についても少しずつご紹介していけたらと思っています。

関連のお知らせ

RELATED NOTICE