児童養護施設 若草寮

若草寮からのお知らせ

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2023.10.17

求人情報

「児童養護施設 仕事内容②」~調理・食育の専門職編~

児童養護施設のことをもっと知りたい!と思って下さっている方へ

児童福祉分野の中でも、特に児童養護施設や社会的養護について関心を持って下さり、ありがとうございます。

児童養護施設 仕事内容① ~児童支援員編~」に続き、今回は若草寮の子どもたちの生活を特に食事・調理の面から支えている、栄養士・家事支援員の仕事内容をご紹介します。

若草寮では、一般的に児童指導員と呼ばれる立場の職員に“児童支援員”という呼称を用いていますが、

調理を担当する職員についても同じように、食育や家事全般から子どもたちの生活を支えているという意味で“家事支援員”という呼称を用いています。

現在若草寮では、中心となって家事を行なう職員が、栄養士を含め各グループに1名ずついます。児童支援員と同様、子どもたちの日常に近い立場の専門職です。

調理の得意な男性職員もたくさんいます!

 

若草寮の調理の特徴

若草寮の調理・食育の特徴として、グループごとに調理を行なっていることが挙げられます。

以前は食材をまとめて発注し、厨房で調理した食事を配膳して、施設全体で同じメニューを食していましたが、

食事面からも家庭的な支援を目指して、数年前から段階的に見直しを重ね、現在ではグループごとに買い出しから調理、後片付けまで全ての工程を行なっています。

食事を作る時の音や匂いが生活の中にあること、子どもたちのリクエストをすぐにメニューに反映することができるなど、柔軟な対応が可能になっています。

 

 

資格について

栄養士は国家資格が求められるため、若草寮で勤務する栄養士さんも栄養士資格を有していますが、

家事支援員は児童支援員と同様、無資格でも就くことができます(児童養護施設で働くためにはどんな資格が必要?)。

資格の有無は問いませんが、実際には仕事を通して興味を持った分野の資格を取る職員も多く、

調理師、保育士、社会福祉士を始め、社会的養護子育て支援員、食育実践プランナー、動物栄養管理士など、様々な資格の保有者がいます。

 

栄養士・家事支援員の一日の仕事の流れ

栄養士と家事支援員は、主に子どもたちの食事作りを担当しています。

子どもたちが学校に通う時期の平日は、概ね13時頃に出勤し、食材の買い出しをして、18時の夕食に間に合うように支度をします。

食事を摂る子どもたちの様子を見守りつつ、大体19時半までに片付けを終えます。

土日や長期休み中は昼食も作るので、お昼前から夕食後までの勤務になります。

その他、栄養士は献立を作成したり、まとめて購入する食材の発注したり、子どもたちの健康的な成長のために身長・体重の推移を見守ったりしています。

 


 

ここから先は、栄養士・家事支援員の方にインタビューに答えてもらいました!

 

日々の食事の時間が楽しくなるように、工夫している点はありますか?

子どもたちそれぞれの好みを把握したり、彩りを気にして盛り付けをしたりしています。

ある食材を子どもが「嫌い!」と言っていたとしても、上手に取り入れる工夫もこっそりしています。

また、一食の中でひとつでも子どもたちが好きな物があるようにしていて、例えば苦手な子の多い魚を食べやすくしたり、デザートにゼリーを作ったりしています。

 

子どもたちが調理に携わる機会はありますか?

たくさんあります。コロナの前は一緒に買い物に行く機会も多くありました。

控えていた時期もありますが、コロナが五類に移行し、またそういった機会を多く持てるようになっています。

一緒にお菓子を作ったり、野菜の皮むきといったお手伝いをしてもらうこともよくあります。

食事作りを通した子どもたちとの会話や関わりが楽しくて、笑いながら作業をすることも多いです。

 

行事(お正月、クリスマス、誕生日等)の食事は、どのようなものですか?
・お正月

伝統的な習慣を味わう機会として、おせちや煮物を用意しています。食べる時におせちの由来を説明しています。

 

・クリスマス

各グループで子どもの好きなメニューとケーキやジュースををたくさん用意します。ビュッフェ形式にしたり、ビンゴ大会を開くなど、時間をかけてたっぷり楽しみます。

 

・お誕生日会

その日の主役に食べたいメニューを聞いて作っています。唐揚げやポテトが人気です。ケーキもその子の好きな物を職員が作ったり、買ったりして用意しています。

 

その他、お近くにお住まいの方を中心にクリスマスケーキ、バレンタインデーやホワイトデーにお菓子、季節の果物等を頂くことも数多くあります。

いつもありがとうございます、子どもたち皆で美味しく頂いています!

 

子どもたちからリクエストの多いメニューを教えて下さい。

鶏の唐揚げ、じゃが芋のコロッケ、マグロやサーモンの丼、ラーメン、エビチリ、おはぎ、焼肉などが上がりました。

子どもたちがそれぞれの思いを伝えてくれるのを嬉しく思っています。

 

この仕事を通して、嬉しかったこと、大変なことはありますか?

やはり作ったものを子どもたちが「美味しい!」と言って食べてくれるのが嬉しいです。その一言を聞くと、疲れも吹き飛びます。

また卒業した子が来寮してくれた時に、

「時間通りに温かくて色々な美味しい料理が出てくるのは普通だと思っていたけれど、当然ではないことに若草を出てから気づいた」と話してくれたこともありました。

食事にまつわる思い出が、若草寮を巣立った後も続いてくれたら嬉しいです。

 

日々調理をする上で、特に気をつけていることはありますか?

衛生面、栄養面、食育の面など、様々な観点から意見が上がりました。

まず衛生面の基本として、生ものの扱い時の包丁・まな板の清潔さ、配膳時の手袋の着用、アレルギーに関する注意事項等があります。

特にコロナ禍で慎重になる場面が増えました。

栄養面や食育の面では、体調を崩している子にはこれを食べたら元気になるかなと考えながら作ったり、

普段の食事も温かいものは温かく、冷たいものは冷たいうちに出すことを心がけています。

 

食育とは、どのようなものだと考えていますか?

生活の基本であり、食事が楽しみになってくれたら嬉しいと考えています。

それに加え、日々三食摂ること、美味しく温かいものを食べること、料理の名前を覚えてもらうこと、食事中のマナー、

自分の体を作る源、孤食とならないよう、一生健康でいられるよう、また自分で作れるように力を付けていくこと、そのサポートをすること…

様々な思いや願いがこめられて、毎日の食卓が彩られています。

 

厨房での集中調理からグループで家庭的に調理することへの変化について、どのように考えていますか?

グループ調理になって子どもたちの食への関心は高まりました。

子どもの表情や反応が見られるため、好きなもの、嫌いなもの、味付けの好みが分かりやすいです。

リクエストも取り入れることができ、生活とつながりを持つことが出来ています。

食べたいものをなるべく早く、希望を叶えることが出来るのはグループ調理の利点だと思います。

 


 

若草寮で調理や家事に携わる職員の働く様子、若草寮での食事や食育の様子が、すこしだけでも伝わったでしょうか。

他の専門職の働く様子については、あらためてお知らせする予定です。

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